上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
「……俺、なにやってるんだろうなぁ」
死にてぇ、と呟くほどではないにしろ、シロは今日も今日とて鬱々としたオーラを発していた。
鬱々としたオーラをシロが発するのは別に珍しいことではない。むしろ年中無休と言ってもいいだろう――なんせシロはコガネという名の少女によって常日頃から酷使されているので、気がつくと心身ともにライフポイントが3桁ぐらいになっている。鬱々としたオーラはそれがトリガーとなって自然発生するのである。
だが、そんな日常茶飯事で見飽きた現象はどうでもよかった。シロにとってどうでもよくなかったのは、手元にある大量コピーされた手作りチラシの処分方法がどうにも見定まらないことであった。
「クロちゃんに掛け合うのは……駄目元どころか死亡フラグだし、1枚でも学校の掲示板に無断で貼ったら以下同文。一人一人に配るにしては少ないし、捨てられたら意味ないし、そもそも避けられそうだし」
 シロ自身どうしたら他人と上手く接することができるか、などということは皆目見当がつかなかったし、そもそもそんな気だるいことをする気にもなれなかった。
 しかし無論だが、このまま何もせずにこの手作りチラシ――コガネが昨日思い立ち、深夜まで思い悩んだあげく30分で書き上げた芸術的に稚拙な絵に加え、近くに寄って見なければ解読不可能なまでに細かい字で仔細に書かれた本文を兼ね備えているという、究極的なまでに広告としての機能が欠落している代物を――このまま丸ごとコガネに返すわけにもいかない。というかそれが一番駄目だ。死亡フラグどころか「死亡確定」なのだから。
「(どっかバレなさそうな所に捨てる……のも駄目だ。俺の心臓では何週間安眠できないかわかりゃしない……リスクが高すぎる)」
 自分のクラスに行けばクラスメイトのよしみで何人か興味を持ってくれるかもしれないが、それでも「死亡確定」がギリギリ死亡フラグにランクダウンする程度だろう。無論、100%が90%後半台になるだけでもシロにとっては非常にありがたいことだったが、できるだけなら50%未満……などという贅沢は言わないから、60%とか70%とか、「10回のうち3、4回は死ななくて済むぜ、うふふ」などと現実逃避できる確率であって欲しい。
 だからこそシロは努力しなければならない。文字通り自身の保身のために。
「……しかし、正直どうしたもの――がっ!?」
 遠い目で天を仰ぎながら歩いていたシロは当然のごとく前方不注意で、それゆえにこちらにやってくる存在に気付かなかった。
 よろめきつつ、痛みに顔をしかめて前方を見るとそこには一人の少女が尻餅をついて涙目になっていた。
「ご、ごめん。ちょっと考え事していたからよく見えてなか……ったです」
 シロの語尾が丁寧語になったのは、ちゃんとした訳がある。それというのも彼と衝突し、尻餅までもついてしまったその少女は、紫色のロングストレートという出立ちで、
つい一週間ほど前にシロ達と対峙した、ベノムという名の少女の顔をしていたからだ。



まるで、時が止まったかのような一瞬であった。シロが少女の可愛らしさだとか、スカートの隙間から見え隠れしている眩しい白色だとかに心を奪われていたから、などというラヴコメディチックな理由からではない。
シロは口内がカラカラに乾いているのにもかかわらず、喉を通っていく固い唾の存在を感じ取っていた。繰り返し言うがその要因はときめきだとか、パから始まりツで終わる存在による興奮ではない、断じてない。
だったらなんなのか。純粋に――危機感を覚えたからである。
「(……やばい)」
 果たして彼女は自分のことを覚えているだろうか。あの戦闘ではロクに活躍しなかった。(コガネ曰く、あの角刈りの不良の方が役に立った)なので、覚えていない確率は意外と高いと思われる。が、シロはベノムという少女がどういう人物かをよく知らない。知っていることといえば、機関銃をぶっ放すことと、毒を用いた魔法を使うこと、もしかしたらコガネ以上に容赦のない性格をしていること、それに――笑顔がとびっきりステキで、一目見た瞬間にゾクリ、ときたこと。
 そしてそれらをまとめればこういうことになる。次の瞬間、彼女は天使のように微笑んでこちらを断罪(殺して)してくるか、あるいは舌打ち一つをして通り過ぎてくれるか、そのどちらかだ。シロが望むのは、断然後者の方である。しかし、
「……あいたた、た」
 ……どうにも様子がおかしい、とシロは思った。そもそも彼女が――この少女があのベノムだったとしたらなおさら――涙目で尻餅をついているという光景からしておかしい。
 あの素晴らしくキレイなホホエミを浮かべた少女が、前方不注意の男子と正面からぶつかり、尻餅をつき、スカートを軽く乱して、何か見ちゃいけないようなものもハミ出させて、涙目で痛そうにしている。
 ギャップで萌える人間だったら、もしかしたらそれだけで萌え死ねるほどのギャップなのではないだろうか、とシロは思った。いや、自分は違うけど、とも思った。
「だ、大丈夫か……ですか」
 なんだか敬語と素の言葉がごっちゃごちゃになった状態になりながらも、とりあえずシロは動く。具体的に言えば、少女の方へと手を差し伸べた。
「あ、はい……えと、ちょっと尻餅しちゃいましたけど」
 気恥ずかしそうにしながら、ペコリと差し出された手に感謝しながら、少女がそう言った。触れた手の柔らかさに、そしてやはり少女が何か違っていることに、シロは内心で驚愕する。
「その、ごめん。考え事していると前が見えなくなることがあって」
「考え事……お悩み事、とかですか?」
「ん、まぁ……そんなところ、です」
「そうなんですかぁ」
 ぶつかってきたことに怒るどころか、暢気に相槌をうちながら少女はこちらへと好奇心に満ちた瞳を向け――この時点でシロの感じた違和感は最大値になった。
「あの……何か?」
「あ、その……すいません、なんかジロジロ見ちゃって……私、実は占いとか、そういうことに興味があって占術の授業受けていて」
「占術?」
 はい、と返答しつつ少女がシロに差し出したのは、シルバーカラーの貝殻状の何かであった。
「……それは?」
「占いの道具です。えっと、よかったら私にそのお悩みを打ち明けてみませんか?あなたさえよければ、これで占ってさしあげますよ?」
「へ?あ、いや、でも」
 こんなところで油を売っている余裕など、シロにはない。一刻でも早く、一人でも多くこのチラシに興味を持つ人を集めなくてはならないのだから。だけど、
「大丈夫。この子も私も聞き上手なんですよ♪」
 そんなことを邪気のない、それこそ文字通り天使のような笑顔で言ってのける彼女に、元々主体性がなく、押しに弱いというヘタレ属性を持つシロの思惑は、ポッキーのように軽快な音を立てて、それこそポッキリと折れた。
「その、じゃあ、お願いします」
「はい、お願いされました。では、早速……ぼそぼそ」
 自分で擬音を呟きながら、紫色の髪の少女が手に持った銀色の物体を撫でる。すると何やら不吉な感じのする(シロにはそれが誰かの断末魔のように聞こえた)低音ヴォイスがその銀色な何かから漏れ出し、しばらくの間メロディを紡ぎ出す。(といっても、10秒もしないうちに消えたが)
「ほむほむ……なるほど!」
「……な、何かわかったんですか?」
「朗報です、解決策がわかりました!」
 一体どういう原理でそれがわかったのか、シロはとても気にはなったが聞かないことにした。なんか怖いし、知らない方がいいことって世の中には沢山あるし、あとヘタレだったから。
 なので、シロはとりあえず藁をも掴むような気持ちで問いかけてみた。
「解決策?」
「はい。私が、そのチラシを配ればいいんです」
 なんだかシロにとってその少女の笑顔は、女神のように見えた。

スポンサーサイト
 校庭を爆風で吹き飛ぶ人の影。一体どこのテロ組織の仕業かと疑いたくなる光景ではあるがご安心あれ。ターゲットは常に一人で被害者も大体はその人だけ。だからこの学校の生徒は安心してお昼休みを過ごせるという寸法だ。始めのうちは驚いていても、人間何にでも順応できるようになっているもので、しかもそれが自分に対して被害がない事ならばなおの事あっさり受け入れてしまうものなのだ。ああ、これを無情と言わずに何とする。
 ところでその吹き飛んだ人影は高さ三メートルをK点とする放物線を描き、顔面から地面へ熱ーいキッス&ヘッドスライディングのダブルコンボを受けていた。科学派の野球部員がいたら是非ともこの所業を犯した奴をバッターにしたいと思った所だろう。まあ、バレーでもバドミントンでも砲丸投げでも何でも良いのだが、大体そういう妄想を抱いた奴は『なんでこんな事している奴が学校にのうのうと来れているのだろう?』という至極真っ当な疑問を抱き、校内を吹き荒ぶ風の噂がその疑問に回答になって消えていくという道を通っていくのであった。
 そんな誰からも哀れみを通り越した何とも言えない感情の視線をいただきまくっているのがシロであった。原因は、『生徒会の罰→コガネのパシリ→生徒会の発見→コガネ見参→三つ巴の乱』というここ最近になってようやく定着し始めた全校生徒お墨付きの見事な食物連鎖のせいである。もっとも、生徒会の罰の前段階に、中間テストが限りなく駄目駄目だった某金色お嬢さんのちょっとはっちゃけた魔法が、たまたまミスヒステリアのお目に留まり、こってりとお説教された後に凶悪な八つ当たりがあったのだが、それはまた別のお話。別にここで説明しなくても、明日にはまた明日の理由が生まれるのだ。これが可能性一〇〇パーセントの全校生徒が認める珍現象である。
 余談だが、これを掃除の合図にしているものも少なくなくなってきていたりもする。

 そんな特に命のやり取りもない平和(?)な日は長くは続かず、悲運はホームルームで配られたたった一枚のプリントが運んで来た。それについてのシロとコガネの会話をダイジェストにお送りするならこんな感じである。
「シロ。クラスマッチだって」
「知ってる」
「バスケットだって」
「知ってる」
「私ね、こういうスポーツも乗って嫌いなの知ってるでしょ。既存の物理法則に従い続けて、鍛え上げた体と体の戦いって燃えるのも分かるけど、この手の勝負なんてみみっちいイカサマのオンパレードじゃない? 過ぎ去った過去に敬意を表してルールを変えずにスポーツとして残し続けるのは良い事だと思うけど、やっぱり現状の、この『イカサマ』がまかり通ってしまう現代においてあまりにもナンセンスすぎると思うのよ。だからさ、私達が私達たらしめるために、そして右往左往している不平不満を木っ端微塵に握り潰すために、時代の流れに合った形に変えてあげるべきだと思うのね。その方がバスケットにとって……、ううん。バスケットをする人にもとって幸せな事だと思うの。決してルールブックに載れなくっても、形がどんなに変わろうとスポーツって言うものはこんなにも楽しいんだって思ってもらえるようになるのは悪い事じゃないと思わない? 思わないわよね! さすがシロ! 話が早いじゃない! うん。やっぱり私達はこんな前時代を匂わせるカビ臭い青春なんて送っている場合じゃないわ。こんなもん、一試合に五人+メンバーチェンジの数人しか出られないんだから、サボってでも私達は私たちに出来る事をしていればいいのよ! こうしちゃいられない! 早速人手集めなきゃ!」
 ああ、溜め息を吐きたいなら吐けばいい。もっとも溜め息はマシンガントークに掻き消されるのだが。そんな中シロは……、おそらくシロだけが知っている。知っているからこそ諦めにも似た達観により溜め息も吐かないのだ。こうなったコガネは止められない事と――――
「何するの?」
 質問を受け、斜陽の影に、コガネはニヤリと微笑んだ。
「魔スケットよ!」

――――コガネは、魔法だらけの改造スポーツが大好きだという事。を
 先日、ベノムの襲撃によって半殺しにされそうだった少年―――ブラウンは思わず、溜息を吐いた。
 何故、俺はこんなことをしているのだろう、と。
 事の発端は1週間前にあった。
 いきなり、先の事件で彼を助けた少女が現れて「私たちと一緒にこれに参加しなさい」と言いながら、1枚の紙を突き付けた。
 その紙が先日に配られたプリントだったということなど覚えていなかったし、仮に覚えていたとしても参加する気など毛頭なかっただろう。
 しかし、断ろうとした彼の顔に紙を叩きつけ、有無を言わせずに「助けてやったんだから、少しくらい協力しなさいよ」と続けたのだ。
 その後、5分程度の話し合い―――否、脅迫の結果、彼はしぶしぶその話を引き受けた。
 しかし、彼にとってそこまで嫌な話ではなかったのだ。
 まず一つ目に彼のつるんでいた友人は全員、ベノムによって病院送りにされ、肉体的にはともかく、精神的にはもう学校に来る気などなかった。
 その結果、中途半端な不良であるブラウンは一人ぼっちという寂しい目にあっており、家に帰ってもすることがなく、暇という暇を持て余していた。
 もう1つの理由は単純にコガネの容姿が彼の好みだったからだ。
 性格に問題があるので、彼女にしたいとまでは思わなかったが、それでも、彼女にかっこいいところの1つでも見せられれば、などと考えていた。
 しかし、彼は知らなかった。
 自分が「仮にも不良なんだから、いれば雑魚に対しての威嚇になるでしょ」などというどうでもよさそうな理由で入れられたことなど。
 コガネが敵どころか味方の活躍さえさせないような超人であることなど。
 だから、彼はそれらを知り、溜息を吐いた。
 何故、俺はこんなことをしているのだろう、と。
「私はトラン。君が欲しい」
 その言葉を聞いた途端、シロは身の毛もよだつ思いで走り去ってしまった。
 言われた事のショッキングさと、あまりにも印象的すぎる、赤と青の瞳に驚いてしまったから。
 ――――そしてそれ以上に、無意識の奥底から発せられた危険信号に、本能的に従ったから。



「ハァハァハァハァ……、くそっ!」
 自宅を通り過ぎ、適当に角を曲がり、ただ闇雲に走り続け、一体どこにむかっているのか、今どこを走っているのかが解らなくなってもなおひたすらに走って。
 これ以上はもう走れないと思ったところで足もとの砂地に足を取られて倒れこんでしまったシロは、そのまま仰向けになると息を整えながらも思わずつぶやいた。
「一体何だよ、アイツは…………」
「……それはこっちの台詞です。一体あなたはここで何をしているのですか」
「…………へっ?」
 乱れる息を整えながらも、声がした頭の上のほうに視線を向けてみれば、そこに見えたのは――――――――――――――白と水色のストライプ?
「……なるほど。息を荒げながら覗き込んでくるとは、あなたは遅刻と早退の癖のほかに覗きの癖もある変態だったのですね」
「……………………変態? え、誰が?」
 そう返事を返しながらも、酸欠状態のシロの頭はフル回転をしていた。
 ――――えっと、この場合、あのストライプの物体は、つまり、その、すぐそばに足(?)らしきものが見えるということは、いわゆる……。
「状況説明も言い訳も一切ないということは、確信犯的行動ですか」
 ――――心なしか聞こえる声のトーンが下がったような……。
「……いや、オレとしてはこうモロに見えるのよりもチラッと見えるか見えないかのほうがっ!?」
 おもわずそう言ってしまった次の瞬間、シロは腹部に衝撃を感じてそのまま気を失ってしまった。
「……まったく、お兄様ってばこんな人から一体何を学べというんでしょうか」
 シロに衝撃波を叩き込んだクロは、ため息をつきながら携帯電話を取り出し、どこかへと連絡を取り始めるのだった。




「ねぇ、そこのヘタレ」
「ごめんなさい」
「ごめんなさいはいいから。私、ちょっと喉が渇いたんだけど?」
 数日後の鍛錬場で。コガネは笑いながらシロに向かってそう言った。
「……もう勘弁してくれよ。アレは俺のせいじゃないって言ってるじゃないか」
「そう? 私からすれば、明らかにあなたのせいなんだけど。夜遅くに学校に呼び出されてみれば、あなたがグラウンドの片隅で砂浴びをしているじゃないの。アレのどこがあなたのせいじゃないと?」
 そう言いながらもコガネは笑っていた。それはもう見るものすべてが蕩けてしまうかというほどの、とびっきりの笑顔で。
 ――――どっかで見たような……。シロは既視感を感じながらも、何度目かになる反論を繰り返した。
「だから、アレは俺が知らないうちに勝手に電話されてたんであって……」
「聞き捨てなりませんね。何ですか、つまりあなたは私が悪いといいたいのですか? あなたは変態である上に恩知らずでもあったのですか」
 少し離れたところにいたクロが、微笑みながら近づいてくる。その笑顔は見るもの全てを慈しむような、そんな微笑だった。
「いや、別にそういう訳じゃ……」
 だがしかし、その二つの笑顔とは裏腹に、二人から放たれているオーラが有無を言わせない雰囲気を醸し出していた。
「…………ごめんなさい。オレが全面的に悪かった……です」
 だから、シロは謝る事しか出来なかった。
「だから、ごめんなさいはいいから。私、ちょっと喉が渇いたんだけど?」
「そうですね、休憩がてらに冷たいものなんか飲みたいですねぇ」
「…………ハイ、買ってきます」
 シロは天井に開いた穴から空を見上げ、ため息をひとつ、つくことしか出来なかった。






「空に雲で落書きするように、『何をするのか』と『何が起こるのか』を明確に持ってみるといい、か。そんなことで本当にどうにかなるモンなのかね」
 食堂の自動販売機が壊れたままで使えないので、わざわざ校外へいって買って来たジュースを飲みながら、シロは深くため息を付いた。 
「そうね。その程度のことで魔法が使えるようになったなら『ヘタレ』の名折れよね」
「そんな事はありません。表現はかなり乱暴ですが、ある意味、魔法行使の真髄を付いていますから。そんなことも解らないなんて、やはりコガネさんはもう少し座学を学ぶべきですね」
「……さすがは『生徒会長』サマね。何でも良くご存知で」
「いや、二人で両脇から熱く火花を散らされてもオレが困るって。……実際問題、するのはオレなんだから」
 静かに火花を散らしている二人の間に座っているシロは、傍から見れば『両手に花』という、とても羨ましい状態に見えるのかもしれない。――――たとえ、当の本人がその状態からどんなに逃げ出したいと思っていたとしても。
「そうです。だから私が忙しいスケジュールの中、わざわざ付き合ってあげてるんじゃないですか」
「いや、別に頼んでないし。ってかなんで?」
 そう聞いたシロに対して、クロは蚊の鳴くような声で答える。
「…………お兄様が」
「え? ゴメン、よく聞こえない」
「そうよねー。こんなヘタレが何をやっても魔法を使えるようになるわけがないじゃない。時間の無駄というものよね」
 聞きなおそうとしたシロの声を遮って、コガネの声が無遠慮に響き渡る。
「そんな事はありません。あなたのお父様のことは簡単に調べさせてもらいましたが、あの方の息子ならばきっと使えるようになるはずです」
「無理無理無駄無駄。ヘタレの世界は、優等生様には知るべきもない深遠の奥底にあるのよ」
「そんな事はありません。というか、コガネさんはそこまで言張るだけの『何か』を知っているとでも?」
「――――そんなこと。小さい頃からこいつのことを見てきている私が言うのだから、間違いないわ」
 確かに、その言葉には確たる裏づけがあるのだった。
 なぜなら、コガネはシロの魔法特性についてシロの父親から聞かされていたし、実際に見たこともあったのだから。
 実は、シロの持つ魔法力は極々僅かな物でしかなかった。特筆すべき事はシロの魔法特性にあった。シロの持つ魔法特性は、言わば『カウンター』とでも言うべきものだった。
 自身に向けられた魔法力に対して、それを放った相手に向かってそのまま投げ返してしまうという、とても特殊な力だった。だからこそ、シロはあの時トランが放った魔法にも捕らわれることもなく、無事だったのだ。
 実際、あの時は逆に放ったハズのトランが捕らわれてしまうという状態に陥っていたのだが、自身の支配下に自身を置いたという特殊な状況に、トランはまだ気付いてはいなかった。
 シロが他人の魔法力の影響を受けるとしたら、よほど心を委ねられる相手にだけ。
 そのことを知っているからこそ、コガネはシロに対して魔法を行使することを恐れ、躊躇っていたのだし、又、シロに衝撃波を与えて気絶させたクロに対し、妙な敵愾心をも抱いたのだった。ひょっとして、シロったらクロのことを……。
「――――そんなこと。絶対にありえないんだから」
 だがしかし、コガネのつぶやくその言葉の真の意味を、クロもシロも、気付かないのだった。

・魔法
明確なイメージと成功させる自信があればあるほど成功しやすい。

・慶昴国立魔法学園(けいぼうこくりつまほうがくえん)
主人公の通う場所。
魔法学校の目的は、魔法に対しての知識を得ること、自分の実力を把握すること。そして実力を磨くこと。だから入学や進学システムに違いがある。入学システムは、年齢に関係なく入学試験を受けられるということ。そして進学システムは全てが本人の実力次第という単純明快なものだ。前期後期の二学期制をとり、各学期末のテストで合格点を出せば次の学期から上の学年にあがる。しかし最終学年だけは一年間在学しなければならず、また後期から最終学年に上がった場合、一年過ごせば前期終了時に期間終了となるが、卒業できると扱われるのはその年の後期の終わりとなるため、実質一年半最終学年で過ごすこととなる。
また、この学園と周辺の都市は、『魔法』と『科学』の融和を図るための実験都市。

・生徒会(せいとかい)
教師と同等の力を持っていて、生徒の素行調査や一般雑務などは、ほぼこの生徒会が担っている。

・『西』と『東』
それぞれ、魔法と科学によって時代を進めてきた。
何百年と続いた対立はとりあえず、終わった。
ただし、それぞれが相手を理解しようとする心を持ったわけではない。

・合成魔法
二人で呪文を唱えることによって発動するっぽい。
しかも、途中で片方が詠唱をやめてもいいらしい。
詳細不明。

『敵』
トランたちと敵対する組織。
PTAの可能性あり
詳細不明。

・PTA
正式名称は『Post Technology Association』
科学と魔法を極めた者こそが世界を支配すると考えている集団。
学園都市設立の時には既に存在し、学園に対して強硬な姿勢をとっていた。
ここ数年では見られなくなっていたはずだが、再び現れた。
過去の飛行機事故に関連があると思われるが、具体的な証拠は挙がっていない。





・シロ
一応、主人公。
常日頃から死にそうなオーラを発しているらしい。
多分、誇張だけど。
遅刻魔。筆記はそこそこなのに実技が駄目駄目。
2話時点では出てくるキャラ全員に何かしら言われてる。不憫すぎる。
少なくとも、子供の頃は地上から見る白い雲は嫌いで青い空が好きだった。
12話で急激なチート説浮上。さらに、13話で作中最強説すら出る勢い
と思ったらカウンター特化とかいうヘタレに戻ってくれてうれしいです。
能力が割とコガネさんに似てるね。

・コガネ
金髪ロールのパーフェクトツン。
多分、ヒロインの一人かもしれない。
今のところ、デレる要素がまったくない。
多分、今後もデレない。
まさか、14話でデレるとは・・・
実技は出来ても、知識はあまりない。
魔法をよく使う癖があり、それをよく注意される。
魔法だらけの改造スポーツが大好き。
しかし、魔スケットというセンスのせいで大して驚けないという
実は美的センス全般がずれていた。

・クロ
すごいロリ。
こう書くと「すごく幼女に見える」のか「すごい能力を持っている幼女」なのか判断しにくいが、後者が正解。もしかしたら、両方かも知れないけど。
学園史上最年少記録を保持する生徒会役員。
多分、融通は利かない。多分、ドS。

・ミス=ヒステリア
あだ名なので、本名は別にある。
激しい調教まがいの説教をする。
サブキャラ。

・シロのお父さんとお母さん
詳細不明。
二人とも何だかんだ言ってシロに甘そう。
お父さんはあまり家にいられないらしい。

・お兄様
生徒会長ですら手玉に取る人。クロの幼馴染。幼女キラー
何か色々と知ってるっぽい。
何故か、生徒会長の座をクロに任せている。
ただ、「ゆっくりと、少しずつ大きくなればいいんだから」は軽いセクハラに見える(ぁ

・ベノム
機関銃で不良を襲って楽しんでる不良。超不良人。読み方は・・・分かるな?(何
というか、人が群れてるのが嫌い。何でコイツは学園にいるの?
東(科学)に偏ってるらしい。
コガネに対して臆するどころかやる気満々。
毒の魔法が得意だと思われる。
何らかの組織に属している。
この子といい、コガネといい、クロといい、何で性格がきついのが集まってるんだろうと疑問に感じざるおえない。

・ブラウン
ベノムさんの理不尽な襲撃の前に唯一立っていた。
というか、抵抗しないから後回しにされて、止めを刺されそうになったときにコガネが助けただけ。
この戦闘ではコガネにナイフを渡したという点でシロより役に立っている。
いつか、色々と明かされるとは思うが詳細は不明。
不良であることが唯一のアイデンティティー
まさかの再登場を果たす。
というか、ここら辺で登場させないと本気で出番が・・・

・ベリアル
ベノムの仲間らしい人。
ホモ。ではなくショタコン。
女嫌い。
何らかの組織に属している。
鉄球を使う。
相手の認識を操作して特定の物を『無価値(ベリアル)である』と判断させる程度の能力

・ルリ
後輩っぽい。でも、この学校の制度を考えると学年が上である可能性はある。
一瞬でベノムさんの毒を解く辺りからもそのことが伺える。
レズ。生徒会の人間
ですぅって言われると浮かぶのは某双子の姉。べ、別にツンデレなんかじゃないですぅ!

・頭の弱い子
生徒会の人。
正直、これしか浮かばない(ぁ

・トラン
金髪でオッドアイ。
ベリアルにダンナと呼ばれ好かれてる。
副リーダー的位置?
紅い目は紅い光しか見えず、蒼い目は蒼い光しか見えないが、両目を開いてるときのみ翠の光が見える。
彼まで誤解を招く発言をするとか

・バイオレット
占いを得意とする。白。
トランの妹。
比較的、まともそうだよね
【第1話】

【第2話】

【第3話】

【第4話】

【第5話】

【第6話】

【第7話】

【第8話】

【第9話】

【第10話】

【第11話】

【第12話】

【第13話】

【第14話】

【第15話】

【第16話】

【第17話】

【第18話】

【第19話】

【第20話】

【第21話】

【第22話】

【第23話】

【第24話】

【第25話】

【第26話】

【第27話】

【第28話】

【第29話】

【第30話】

【第31話】

【第32話】

【第33話】

【第34話】

【第35話】

【第36話】

【第37話】

【第38話】
しばし待たれよ


リレー小説概要


魔法学園概要
参加表明順



シャウ㌧(徒然草

香月(虹の彼方から

風来春雷(ハル ノ イカズチ

ベルヘン(緑のきつね(狩り)

outm(たまご飯

亜紗(亜紗に行う制作業

麻倉ゆえ(幻影の空

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。