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魔法学園小説 ―28話―

「よお」
そうかけた一言をこれほどまでに後悔したことは今の今までなかった。
「ちょうど待っていたところなの。遅くならなくてすみそうだわ。」
あくまでも笑顔。それでいてどこまでも笑顔なのだが、昨日見たバイオレットのそれとは真逆のもの。
「バイオレット・・・・・・じゃない?」
「あら、レディの名前を忘れるなんて失礼でしてよ?」
「ははは・・・・・・」
彼女の言葉が、笑みが、空気が、シロの背中にじっとりとした汗を生み出していく。
できるだけ関わらずに去ろうとするシロにベノムは話しかける。
「このあと時間をとれたりしない?」
「いや、このあとはちょっと」
目線をあわさず、さっさと帰りたいオーラを出しながらしどろもどろに断るシロに彼女は追い討ちをかけるように言葉を続ける。
「故ヒルグ空軍准将の話でも?」
その言葉に歩き始めたシロの足は止まってしまった。
シロの中で思考が渦巻き始める。
昨日トランも父の話をしていた。しかしコガネに遮られて詳しくは聞けなかった。
むしろコガネがいると父の話は遮られてしまうのではないのだろうか、と。
ベノムの話がトランの話と同じなわけがないのだが、父の話は聞いてみたい気がする。
今、コガネはいない。しかしあのベノムと一人で話すのはやはり気が引ける。
「考えるのはいいけれど」
ベノムがつぶやくように言う。
「さっきのは命令で、初めから貴方に拒否権なんてないの」
結局のところ、近くに停まっていた車から出てきた男に、シロは抵抗もできないまま車に乗せられてしまった。
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