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魔法学園小説 ―15話―

 校庭を爆風で吹き飛ぶ人の影。一体どこのテロ組織の仕業かと疑いたくなる光景ではあるがご安心あれ。ターゲットは常に一人で被害者も大体はその人だけ。だからこの学校の生徒は安心してお昼休みを過ごせるという寸法だ。始めのうちは驚いていても、人間何にでも順応できるようになっているもので、しかもそれが自分に対して被害がない事ならばなおの事あっさり受け入れてしまうものなのだ。ああ、これを無情と言わずに何とする。
 ところでその吹き飛んだ人影は高さ三メートルをK点とする放物線を描き、顔面から地面へ熱ーいキッス&ヘッドスライディングのダブルコンボを受けていた。科学派の野球部員がいたら是非ともこの所業を犯した奴をバッターにしたいと思った所だろう。まあ、バレーでもバドミントンでも砲丸投げでも何でも良いのだが、大体そういう妄想を抱いた奴は『なんでこんな事している奴が学校にのうのうと来れているのだろう?』という至極真っ当な疑問を抱き、校内を吹き荒ぶ風の噂がその疑問に回答になって消えていくという道を通っていくのであった。
 そんな誰からも哀れみを通り越した何とも言えない感情の視線をいただきまくっているのがシロであった。原因は、『生徒会の罰→コガネのパシリ→生徒会の発見→コガネ見参→三つ巴の乱』というここ最近になってようやく定着し始めた全校生徒お墨付きの見事な食物連鎖のせいである。もっとも、生徒会の罰の前段階に、中間テストが限りなく駄目駄目だった某金色お嬢さんのちょっとはっちゃけた魔法が、たまたまミスヒステリアのお目に留まり、こってりとお説教された後に凶悪な八つ当たりがあったのだが、それはまた別のお話。別にここで説明しなくても、明日にはまた明日の理由が生まれるのだ。これが可能性一〇〇パーセントの全校生徒が認める珍現象である。
 余談だが、これを掃除の合図にしているものも少なくなくなってきていたりもする。

 そんな特に命のやり取りもない平和(?)な日は長くは続かず、悲運はホームルームで配られたたった一枚のプリントが運んで来た。それについてのシロとコガネの会話をダイジェストにお送りするならこんな感じである。
「シロ。クラスマッチだって」
「知ってる」
「バスケットだって」
「知ってる」
「私ね、こういうスポーツも乗って嫌いなの知ってるでしょ。既存の物理法則に従い続けて、鍛え上げた体と体の戦いって燃えるのも分かるけど、この手の勝負なんてみみっちいイカサマのオンパレードじゃない? 過ぎ去った過去に敬意を表してルールを変えずにスポーツとして残し続けるのは良い事だと思うけど、やっぱり現状の、この『イカサマ』がまかり通ってしまう現代においてあまりにもナンセンスすぎると思うのよ。だからさ、私達が私達たらしめるために、そして右往左往している不平不満を木っ端微塵に握り潰すために、時代の流れに合った形に変えてあげるべきだと思うのね。その方がバスケットにとって……、ううん。バスケットをする人にもとって幸せな事だと思うの。決してルールブックに載れなくっても、形がどんなに変わろうとスポーツって言うものはこんなにも楽しいんだって思ってもらえるようになるのは悪い事じゃないと思わない? 思わないわよね! さすがシロ! 話が早いじゃない! うん。やっぱり私達はこんな前時代を匂わせるカビ臭い青春なんて送っている場合じゃないわ。こんなもん、一試合に五人+メンバーチェンジの数人しか出られないんだから、サボってでも私達は私たちに出来る事をしていればいいのよ! こうしちゃいられない! 早速人手集めなきゃ!」
 ああ、溜め息を吐きたいなら吐けばいい。もっとも溜め息はマシンガントークに掻き消されるのだが。そんな中シロは……、おそらくシロだけが知っている。知っているからこそ諦めにも似た達観により溜め息も吐かないのだ。こうなったコガネは止められない事と――――
「何するの?」
 質問を受け、斜陽の影に、コガネはニヤリと微笑んだ。
「魔スケットよ!」

――――コガネは、魔法だらけの改造スポーツが大好きだという事。を
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