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魔法学園小説 ―37話―

夜が更け消灯時間を過ぎて、まだトランは起きていた。
 なにかしていたわけではなく電気は消している。少し前に廊下を通った見回りの警備員はトランが寝ていると思ったことだろう。
 これからの会合は誰にも気づかれてはいけない。彼とは"結果として偶然協力していた"だけでなければならない。
 想定外の力を得た者、不相応な絆を得た者は消される。トラン達が所属するのはそういう組織だから。

 コンコンと、窓をたたく音が聞こえトランはカーテンをずらし窓の鍵を開ける。
 暗闇に完全に慣れた目には遠くから届く弱弱しい街灯の明かりでも少々眩しく、だからこそ窓の外にいる男の姿が見えた。
 原色を散りばめたような色鮮やかな民族衣装を着込んだ中年の男が空の上で胡座を組んでいた。
 男はその姿勢のままでゆっくり部屋に入ってくる。
 トランが窓を閉めるのを待ってから男は口を開いた。
「トラン、あれは何のつもりじゃ」
 少し間を置き、改めて問い掛ける。
「コガネとシロを連れて行くときは彼女らの自由意志を尊重する
 その契約を違える気か?」
 男はそれだけ言うと口を閉ざしトランの答えを待つ。



 男はシロとコガネの将来を案じトランに接触してきた。
 シロたちが入学したこの学園はPTAと深く繋がっていると男は考えていた。
 何事もなく卒業し彼らが自分の居場所を見つけることができるならそれで良い。
 しかし、PTAがシロとコガネを放っておくとは思えない。
 男はPTAとその思想を排除しようと尽力していたが、男の願いとは裏腹に学園を中心にPTAの思想は都市全体に浸透していった。
 たとえPTAが動かなかったとしても、シロが人として暮らすことのできる居場所は無くなってしまう可能性があった。
 だから、男はPTAと対立するもう一つの組織に目を付けた。
 PTA同様危険な組織には違いないが、彼らはシロとコガネを丁重に扱うのではないか?

 男はトランと交渉し、ある条件の下で協力する事を選んだ。
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